なぜ、薬物乱用はいけないのか。
薬物乱用の恐ろしさは、何回も繰り返して使用したくなる「依存性」を持ってしまうこと。また、繰り返し使用しているうちに「耐性」を持ってしまうことです。「耐性」とは、身体が薬物に対する抵抗力を持つことで効力が薄れてしまうため、さらなる効力を求めて薬物の使用量が増えてしまう現象のことをいいます。
そのような状態になると、自分の意思では薬物の使用をコントロールできなくなってしまい、身体と精神が蝕まれてしまうのです。
違法薬物による身体への影響
薬物乱用によって身体の大切な働きが壊れてしまいます。
覚せい剤の場合
重篤な依存症(強い精神依存)
精神障害:
覚せい剤精神病(幻覚・妄想)
フラッシュバック
血圧上昇・急性心不全
静脈炎症
離脱時の強い疲労感や倦怠感、脱力感
大麻(マリファナ)の場合
精神障害:
大麻精神病(幻覚・妄想)人格変容
生殖機能への悪影響
呼吸器系の疾患
MDMAの場合
錯乱/憂鬱/睡眠障害
高血圧、心臓の機能不全
肝臓の機能不全
悪性の高体温による筋肉の著しい障害
腎臓と心臓血管の損傷
脳卒中、けいれん
記憶障害
危険(脱法)ドラッグの場合
意識消失
幻覚、視覚過敏、聴覚過敏
精神運動、興奮
見当職障害
薬物の種類ごとに様々な症状あり
シンナーの場合
記憶力低下/認知障害
急性中毒:事故
精神障害:有機溶剤精神病(幻覚、妄想)
重篤な依存症
歯がもろくなる
視力低下/失明
肝臓/腎臓の障害
生殖器の萎縮
手足のふるえ、しびれ、麻痺
その他の害
薬物を注射で乱用する場合、各種の感染症(エイズ、肝炎など)の原因になります。
大麻では精子の異常が、シンナーやコカインでは先天異常などの報告があり、妊娠、出産にも悪い影響があります。
薬物乱用の弊害
薬物乱用の最も恐ろしい特徴は、薬物の“依存性”と“耐性”です。
依存性
一回くらいなら大丈夫と思っても、また使いたくなり、繰り返し使わずにはいられなくなってしまいます。
耐性
使用を繰り返しているうちに、それまでの量では効きめがうすれていきます。一回だけと思って始めた人も、薬物の“依存性”と“耐性”によって使用する量や回数がどんどん増えていき、どうしようもない悪循環に陥ります。そうなると、もはや自分の意思だけでは止めることはできません。
社会的影響
薬物関連犯罪
- 薬理作用によるもの
- 入手目的によるもの
- 取引をめぐるもの
社会経済的損失
- 人格の変化
- 社会不適応(無気力、忍耐力の欠如)
- 生産性の低下
- 労働力の減少
- 犯罪被害の拡大
- 乱用者の更生のための社会福祉費用の増大
出典元:厚生労働省