個人輸入やインターネット購入による健康被害
- 無承認無許可医薬品等への注意点
- 令和2年度「無承認無許可医薬品等買上調査」の結果
- 令和元年度「インターネット販売製品の買上調査」の結果
- その他の無承認無許可医薬品等について(報道発表)
- 海外製医薬品の副作用や偽造医薬品などの情報
- 健康食品(医薬品成分含有事例を含む)の健康被害情報
- 未承認医薬品等の健康被害情報
- 注目された健康被害報告(~令和2年度)
医薬品等を個人輸入する場合は、その「リスク(危険性)と必要性」をよく考える必要があります。
個人輸入した医薬品が、安全性に問題があり関係当局より注意喚起されている製品であったり、インターネットを介して購入したサプリメントに医薬品が入っていて、実は健康被害が報告されていた製品であったり、また、身体の不調が服用している医薬品やサプリメントが原因であることがわからず救急搬送されるなどのさまざまな事例が報告されています。
厚生労働省をはじめとするお住いの都道府県から発信される情報をご覧いただき、健康被害やトラブルに合うことがないようにご注意ください。
「あやしいヤクブツ連絡ネット」では、個人輸入、指定薬物等を含む危険ドラックに関連する事例や健康被害に関する情報の収集、提供や相談を行っています。
あやしいヤクブツ連絡ネットコールセンター
無承認無許可医薬品等への注意点
無承認無許可医薬品は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていません。
検出された医薬品成分の含有量は、必ずしも均一でなく、いちどに摂取すると健康被害を生じるおそれがある量が含まれている場合があります。
また、不衛生な場所や方法で製造されたものであるおそれがあり、有害な不純物等が含まれている可能性が否定できません。
報告されている健康被害については、検出された医薬品成分のみによるものとは限らず、そうした不純物等が関係している可能性もあります。
令和2年度「無承認無許可医薬品等買上調査」の結果について)
~いわゆる健康食品から医薬品成分を検出~
厚生労働省では、無承認無許可医薬品の流通経路を解明するとともに国内全体の流通実態の把握及び違反業者の指導・取締りを行うため、日本国内の店舗や運営者の所在地が日本国内にあるインターネットサイトで販売されているいわゆる健康食品を対象とする調査を平成13年度から実施しており、今般、令和2年度の調査結果を別添のとおり取りまとめたのでお知らせします。
なお、いわゆる健康食品のうち医薬品成分が検出された製品は健康被害のおそれがあるため、これらの製品をお持ちの方は直ちに使用を中止いただくよう、また、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診いただくようお願いします。
また、今回、医薬品成分が検出された製品等を販売していた店舗に対しては、その店舗が所在する都道府県による指導・取締りを行うなど、製品の販売及び広告が中止されるよう対策を行っています。
調査結果のポイント
いわゆる健康食品127製品中2製品から、医薬品成分が検出されました。
調査概要
- 調査方法 店舗販売製品買上調査及びインターネット買上調査
- 調査対象 健康食品(強壮系、痩身系、筋肉増強系)
- 買上品目数 合計127品目
- 調査期間 令和2年7月17日~令和3年9月14日
令和元年度「インターネット販売製品の買上調査」の結果について
~いわゆる健康食品から医薬品成分を検出~
厚生労働省では、個人輸入により国内に流入する偽造医薬品等の状況を把握するため、海外のインターネットサイトで日本国内向けに販売されている海外製医薬品・健康食品(以下、海外製医薬品等)を対象とする調査(インターネット販売製品の買上調査)を平成23年度から実施しており、今般、令和元年度の調査結果を別添のとおり取りまとめたのでお知らせします。
なお、いわゆる健康食品のうち医薬品成分が検出された製品は健康被害のおそれがあるため、これらの製品をお持ちの方は直ちに使用を中止いただくよう、また、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診いただくようお願いします。
また、厚生労働省では、今回、医薬品成分が検出された製品等を販売していたサイトに対しては、サイトの削除要請を行うなど、製品の販売及び広告が中止されるよう対策を行っています。
調査結果のポイント
いわゆる健康食品34製品中4製品から、医薬品成分が検出されました。
海外製医薬品50製品のうち、表示と異なる医薬品成分は検出されませんでした。
調査概要
- 調査方法 インターネット買上調査
- 調査対象 健康食品(強壮系、痩身系、筋肉増強系)、海外製医薬品
- 買上品目数 合計84品目(健康食品34品目、海外製医薬品50品目)
- 調査期間 令和元年12月23日~令和2年3月31日
その他の無承認無許可医薬品等について(報道発表)
- フランス製の豊胸用シリコンバッグ製品に関する情報提供(平成23年12月28日)
- シアリス錠の偽造品による健康被害に対する注意喚起(第2報)(平成23年5月26日)
- シアリス錠の偽造品による健康被害に対する注意喚起(平成23年4月26日)
- タイから輸入された「ホスピタルダイエット」と称される無承認無許可医薬品による健康被害(疑い)事例について(平成21年10月9日)
- 医薬品成分(チオアイルデナフィル)を含有するいわゆる健康食品(無承認無許可医薬品)の発見について(平成20年12月5日発表)
- 医薬品成分(チオキナピペリフィル)を含有するいわゆる健康食品(無承認無許可医薬品)の発見について(平成20年6月26日発表)
- 医薬品成分(シクロペンチナフィル及びN-オクチルノルタダラフィル)を含有するいわゆる健康食品(無承認無許可医薬品)の発見について(平成20年6月11日発表)
- 医薬品成分(ノルホンデナフィル)を含有するいわゆる健康食品(無承認無許可医薬品)の発見について(平成20年2月26日発表)
海外製医薬品の副作用や偽造医薬品などの情報
海外の当該規制当局は、当該製品を購入又は使用しないよう、また当該製品の使用によると思われる副作用があった場合には、医療機関を受診すること等について、消費者に注意喚起しています。
有害事象の発生や偽造医薬品の可能性がありますので、個人輸入による安易な使用はお控えください。
これらの機関より情報を掲載しています。
WHO(世界保健機構)、FDA(米国食品医薬品局)、Health Canada(カナダ保健省)、 HSA(シンガポール保健科学庁)、TGA(豪州医薬品庁)、香港衛生署、 Cofepris(メキシコ連邦衛生リスク対策委員会)、BfArM(ドイツ連邦保健局)、MHRA(GOV.UK)
健康食品(医薬品成分含有事例を含む)の健康被害情報
報告年度:令和4年度
No.1
製品名:Detoxeret Jelly
健康被害報告の概要
- 日本国内でネット経由で販売されていた「Detoxeret Jelly」と称される無承認無許可医薬品を摂取した6名の住民から健康被害(➀動悸、口渇、頭痛、めまい等、➁頭痛、動悸、ほてり、吐き気等、➂症状未公表、➃めまい、立ち眩み、息苦しさ、口渇等、➄ほてり、動悸、口渇、めまい等、➅アレルギー症状)の報告があった(➀兵庫県西宮市、➁千葉県千葉市、➂千葉県、➃福岡県北九州市、➄宮城県、➅宮崎県)。
- 製品から医薬品成分であるシブトラミンが検出された。
- 厚生労働省発表資料(医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について)
(令和4月6月7日) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26097.html
(➀兵庫県西宮市、➁千葉県千葉市 発表資料) - 厚生労働省発表資料(医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について)
(令和4月6月15日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26252.html
(➂千葉県 発表資料) - 北九州市発表資料(医薬品成分を含有する製品の発見について)
(令和4月6月22日)➃福岡県北九州市 発表資料 - 宮城県発表資料(医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について)
(令和4月6月27日)➄宮城県 発表資料 - 宮崎県発表資料(医薬品成分を含有する製品の発見について)
(令和4月6月28日)➅宮崎県発表資料
※健康被害が生じた住民はDETOXERET Chokolade も摂取(No.2のDetoxeret Chokolade の➂の方と同じ住民)
No.2
製品名:DETOXERET Chokolade
健康被害報告の概要
- 日本国内でネット経由で販売されていた「DETOXERET Chokolade」と称される無承認無許可医薬品を摂取した4名の住民から健康被害(➀食欲不振、倦怠感、息苦しさ、貧血等 ➁動悸、頭痛、口渇等、 ➂アレルギー症状、➃口渇、動悸)の報告があった(➀神奈川県相模原市、➁埼玉県川口市、➂宮崎県、➃滋賀県)。
- 製品から医薬品成分であるシブトラミンが検出された。
- 厚生労働省発表資料(医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について)
(令和4月6月14日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26241.html
(➀神奈川県相模原市 発表資料) - 川口市発表資料(ダイエット用食品から医薬品成分が検出されました)
(令和4月6月17日)➁埼玉県川口市 発表資料 - 宮崎県発表資料(医薬品成分を含有する製品の発見について)
(令和4月6月28日)➂宮崎県発表資料
※健康被害が生じた住民はDETOXERET Jelly も摂取(No.1のDetoxeret Jellyの➅の方と同じ住民) - 滋賀県発表資料(医薬品成分を含有する製品の発見について)
(令和4月7月8日)➃滋賀県発表資料 - 参考千葉市発表資料(医薬品成分を含有する製品の発見について)
(令和4月6月24日)千葉県千葉市発表資料
※購入者が未摂取であり、健康被害の報告はない
報告年度:令和3年度
No.1
製品名:Penisole
健康被害報告の概要
- シンガポールから個人輸入した「Penisole」と称される無承認無許可医薬品を摂取した県民から鉛中毒と 診断され健康被害(不屈、手の震え、吐き気、頭痛等)の報告があった(埼玉県)。
- 製品には医薬品成分である「Withania Somnifera(和名:アシュワガンダ)」「Hyoscyamus niger(和名:ヒヨス)」の表示がされていた。
- また、当該製品からは12mg/カプセルの鉛が検出された。
- 厚生労働省発表資料(個人輸入した無承認無許可医薬品による健康被害(疑い)の発生について)
(令和3年7月28日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20126.html
健康被害報告(~令和2年度)
未承認医薬品等の健康被害情報
報告年度:令和5年度
No.1
製品名:点痣膏
健康被害報告の概要
- 70代女性が、右頬の脂漏性角化症を除去しようとして、ネット経由で入手した点痣膏(使用量不明)を外用した。
- 右頬に1回使用したところ、使用部位に痛みを感じ、黒色痴皮(かさぶた)を伴う皮膚潰瘍が形成されたため、同日医療機関を受診した(医療機関によれば、来院時の症状は強酸による化学熱傷)。
No.2
製品名:点痣膏 点痣考用
健康被害報告の概要
- 50代女性が、顔のシミを除去しようとして、点痣膏(使用量不明)を外用した。
- 顔に使用したところ、使用部位に痛みを感じすぐに洗顔したが、塗った部位が茶褐色に変色。翌日医療機関を受診した(医療機関によれば、来院時の症状は接触性皮膚炎)。
No.3
製品名:メラケアフォルテ
健康被害報告の概要
- 20代女性が、鼠経部の色素沈着に対し、ネット経由で入手したメラケアフォルテ(使用量、期間不明)を外用した。本人は、当該品に医薬品成分が含まれていることを認識しておらず、化粧品のクリームとの認識で使用した。
- 使用したところ、かぶれが生じ、炎症が起きて色素沈着が強くなったため、医療機関を受診した(医療機関によれば、配合されているヒドロキノン、トレチノインによるかぶれ)。
No.4
製品名:点痣膏
健康被害報告の概要
- 70代女性が、SNS上の動画広告で知った、いぼ、ほくろ取りクリーム「点痣膏」(使用量不明)を通信販売で入手し、外用した。
- 前額部のほくろ5カ所に、使用説明動画では20秒のところ、20分くらいつけていたところ、赤く腫れ皮膚の変色が生じた。翌日医療機関を受診したところ、皮膚壊死を伴う円形の皮膚潰瘍2カ所と、発赤を伴う痂皮(かさぶた)付着局面が3カ所確認され、化学熱傷が疑われた。
- クリームは強いアルカリ性を示すものだった。
No.5
製品名:奥利司他胶囊(Orlistat Capsules)、ケツメイシとハスの葉の茶(茶外茶)
健康被害報告の概要
- 40代女性が、減量目的のためにSNS経由で購入した、未承認医薬品「奥利司他胶囊(Orlistat Capsules)」及び「ケツメイシとハスの葉の茶(茶外茶)」を1週間程度服用した。また、2製品に加え、同一の販売者から同時に購入した、いわゆる健康食品(コーヒーゼリー)も摂取していた。
- 服用後、腹痛、吐き気、油状の下痢が現れたため、服用を中止した。
- 「奥利司他胶囊(Orlistat Capsules)」及び「ケツメイシとハスの葉の茶(茶外茶)」には、それぞれ、医薬品成分である「オルリスタット」及び「クズの根」が成分として記載されていた。
報告年度:令和3年度
No.1
製品名:サクセンダ(Saxenda)(リラグルチド(遺伝子組換え))
健康被害報告の概要
- 20代女性が、ダイエット目的で、サクセンダ(入手経路不明、投与量不明)を使用した。
- 投与2日目に低血糖を発現し、救急搬送され、入院した。翌日、低血糖は回復と判断され退院。
No.2
製品名:ミノキシジル2.5mg、フィナステリド1.0mg
健康被害報告の概要
- 50代男性が、ネット経由で入手した未承認医薬品ミノキシジル2.5mg錠(2錠/日)、フィナステリド1mg錠(1錠/日)を約2か月服用した。
- 服用終了約1.5か月後に全身倦怠感、胸焼けが出現し、濃い色の尿が出現。服用終了約2か月後に近医を受診し、肝機能異常が指摘。近医受診翌日に救急外来紹介受診し、黄疸、肝細胞型肝障害を指摘し、近医受診3日後に入院。保存的に観察加療を行い、軽快したため、入院16日目に退院。
No.3
製品名:レチノールA1% アドバンスド・リバイタリゼーションクリーム
健康被害報告の概要
- 20代の女性が、インターネット上でスキンケア用として紹介されたクリームをネット経由で海外から購入し、5日間、顔面に使用した(使用量不明)。
- 使用開始5日後に顔面に刺激性接触皮膚炎を生じ、翌日医療機関を受診した。
注目された健康被害報告(~令和2年度)
- 「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製の向精神薬等を含有する無承認無許可医薬品による健康被害事例について
- 個人輸入される経口妊娠中絶薬(いわゆる経口中絶薬)について
- 中国製のいわゆる漢方薬が原因と疑われる健康被害事例について
- 個人輸入した未承認糖尿病薬を服用後に発生した健康被害事例について
医療関係者(学会等)からの注意喚起
医薬品の適正使用に関するお知らせ
「いわゆる健康食品」による健康被害事例
出典元:厚生労働省