シアリス錠の偽造医薬品による健康被害に対する注意喚起

ご注意ください！
シアリス錠の偽造医薬品による健康被害に対する注意喚起について（第２報）
模造医薬品の分析の結果　シルデナフィル検出

報道発表：平成23年５月26日　奈良県

模造医薬品による健康被害に対する注意喚起について（第２報）模造医薬品の分析の結果シルデナフィル検出

平成23年4月26日に報道発表いたしました標記について、平成23年1月に間質性肺炎で死亡された患者（第１報の【症例２】）の家族から提供された模造医薬品を国立医薬品食品衛生研究所で検査したところ、他のED治療薬の有効成分であるシルデナフィルが検出されましたので報告します。

【症例２】今年1月に間質性肺炎で死亡（シアリス50mgほか所持、服用不明）

＜検査結果＞

シアリス錠 50mg （ 1錠 547.5mgあたり）シルデナフィル118mg検出
シアリス錠 100mg （ 1錠 571.0mg あたり）シルデナフィル60.0mg検出
レビトラ錠 20mg （ 1錠 262.1mg あたり）シルデナフィル 51.1mg検出
ジフルカン 100mg （ 1錠 417.2mg あたり）シルデナフィル 27.4mg検出

シルデナフィルは、ファイザー社製のバイアグラの有効成分であり、国内正規品は、1 錠中シルデナフィル25mg と 50mg の２種類で、外国では、100mg 規格品もある。この模造医薬品は、ファイザー社によって製造されたものではない。
バイアグラ正規品（25mgと50mg）の主な副作用としては、血管拡張（ほてり、潮紅）、頭痛、動悸などの副作用が報告されている。100mg 規格品がある外国における副作用報告では、心血管系の既往症のある患者で、心原性突然死、心筋梗塞、一過性脳虚血発作と高血圧などの重篤な心血管系障害が服用後発現した報告がある。（頻度不明）なお、間質性肺炎は、使用上の注意の中で副作用としての記載がない。
検査実施機関
厚生労働省と連携し国立医薬品食品衛生研究所で実施

＜進捗状況＞

模造医薬品の入手先については、本人が死亡されており、家族への聞き取り調査を行ったが、インターネットや雑誌等から購入した明確な情報は得られなかった。また、患者が使用していた痕跡も見あたらないほか、新たに模造医薬品も見つからなった。
死因となった間質性肺炎と薬剤との因果関係について調査を行いました。患者は、高血圧、高脂血症の既往症があり、14年間複数の降圧薬などを服用していた。その間、健康状態は良好。今年1月にかぜ様症状（熱、咳など）を訴えかかりつけ医にかかり、抗生物質や解熱剤などを処方され安静にしていた。熱が下がらないことから近医を受診したところ、肺炎の疑いと診断され、近隣の病院に搬送された。呼吸困難、気胸など重篤な症状を呈しており、必要な措置を行った上で、医大へ搬送したが、一週間後死亡された。
平成8年から服用していた降圧薬1剤と、かぜ症状の際にもらった抗生物質1剤と解熱剤1剤については、使用上の注意の中で間質性肺炎（頻度不明）の副作用報告はあるが、因果関係を裏付ける情報は見い出せなかった。

＜注意喚起＞

今回、症例２から提供された模造医薬品からは、他のED治療薬の有効成分であるシルデナフィルが検出されました。このような模造医薬品がインターネット上で簡単に入手できてしまうことや、身の回りに存在することが明らかになりました。このような模造医薬品には有効な成分が含まれ健康被害に陥る可能性があることから、医薬品は医師の診断のもと、適正に服用することを心がけ、個人輸入などによる安易な使用をお控えください。