医薬品等を海外から購入しようとされる方へ
■個人輸入する場合のリスク(危険性)と必要性■
海外から医薬品等を日本国内へ持ち帰るという個人輸入のケースもありますが、近年、インターネットの普及により、海外で流通している医薬品等を個人輸入するケースが増えています。
インターネット上には、日本で承認されていない海外医薬品等も販売されています。
今、見ているサイトはどこの国で運営されている通販サイトなのか、はたまた個人輸入代行サイトなのか、個人輸入による健康被害やトラブルにあうことがないように注意が必要です。
その為には、個人輸入のルールを知り、健康被害などの情報を入手して、そのリスク(危険性)と必要性をよく考えなくてはなりません。
リスク(危険性)と必要性をよく考えて!
1.日本の医薬品医療機器等法に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていない
- 国によっては、医薬品等の品質等について、我が国と同じレベルでの確認が行われていない。
- 品質等の確認が行われていない医薬品等は、期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている場合があります。
<無承認無許可医薬品情報> https://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/diet/musyounin.html
2.虚偽または誇大な効能・効果、安全性などをうたっている場合がある
- いわゆる健康食品、ダイエット食品等として販売されている製品についても、医薬品成分が含まれていて、健康被害を引き起こすことがあります。
<「いわゆる健康食品」による健康被害事例>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/daietto/index.html - 美容機器等と称して、あたかも医薬品医療機器等法の医療機器に該当しないかのように販売されている製品であっても、人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼし、健康被害を引き起こすことがあります。
3.副作用や不具合などが起きた場合に、対処方法が不明なことがある
- 個人輸入された医薬品等については、医師、薬剤師等の専門家でも、その成分や作用等に関する十分な情報を有しておらず、副作用等に迅速に対応することが困難な場合があります。
- 重大な健康被害が生じた場合でも救済対象にはなりません。日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品については、それを適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合に医薬品副作用被害救済制度があります。
4.正規のメーカー品を偽った偽造製品の可能性、不衛生な場所や方法で製造された可能性もある
<不衛生な場所での製造現場>
<偽造品は持ち込み禁止>
■健康被害事例■
- 無承認無許可医薬品「Penisole(ペニソール)」と称される製品から多量の鉛が検出
- 「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製の向精神薬等を含有する無承認無許可医薬品による健康被害
- シアリス錠の偽造医薬品による健康被害に対する注意喚起
- インターネットを介して個人輸入した海外製経口妊娠中絶薬による健康被害
- 個人輸入した海外製クリーム剤の使用により健康被害(疑い)が発生しました
海外で承認されている医薬品等を個人輸入し、用法・用量等の記載内容を守って使用した場合でも、副作用等を生じることがあります。
安全な使用を図るため、医師による診察、処方及び経過観察が必要とされているものもあります。
個人輸入の危険性(リスク)を理解し、自分ひとりで判断せずに、お住まいの地域の医師、薬剤師等の専門家に相談されることをお勧めします。
■個人輸入代行の利用について■
- 個人輸入代行業と称し、違法に海外製の医薬品等の購入を誘引する仲介業者による個人輸入のトラブルが増えています。海外製医薬品等の個人輸入や販売を行う海外のインターネットサイトに対しては、業界団体からもその違法性や製品の品質・有効性・安全性への懸念について、注意喚起がされています。
<個人輸入代行業の指導・取締り等について>
<一般社団法人日本コンタクトレンズ協会> - 健康被害等のトラブルが生じても輸入代行業者は責任を負わず、全て購入者の責任とされることがあります。
<海外の製品を並行輸入品や個人輸入品として購入するときの注意点(消費者庁)> - 自己判断で使用すると重大な健康被害を生じるおそれがある医薬品は、数量にかかわらず、医師による処方が確認できない限り、一般の個人による輸入は認められません。
こちらの<数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とするもの>で製品名や販売名が確認できます。
出典元:厚生労働省